悪羅悪羅系(オラオラ系)ファッションとはなんぞや?

男が憧れる男を目指す悪羅悪羅系(オラオラ系)ファッション。いわゆるお兄系のワルさ、イカツさの部分をよりコアにしたもので、もともとはお兄系ファッションの1つとして雑誌メンズエッグやメンズナックルで紹介されていたスタイルだ。この悪羅悪羅系というのが、今のストリートの中で結構目につくような感じになってきている

悪羅悪羅系というファッションの基本スタイル

お兄系の黒を基調とした色使いは悪羅悪羅系ファッションにも受け継がれている。主に硬派なスタイルとド派手でゴージャスなスタイルがあり、いずれも男の強さを全面に押し出している。

悪羅悪羅系の基本スタイル

  • 機能的なセットアップジャージというコーディネートが基本スタイル。
  • 派手でゴージャスな柄モノを合わせて肉食な男を表現。
  • 小物はゴールドのアクセサリーを身に付けて高級感を出す。
  • 鍛えた肉体と短髪でイカツさや強さをアピール。
  • サングラス・タトゥーといった要素を重ねる。
  • 硬派なスタイルで男らしさを強調する。

和柄系も人気がある。刺青をモチーフとしたサクラ吹雪や般若など、和風にこだわったデザインが特徴で、自由に自分の中に和を表現している。また、アクセサリーはゴツいゴールド系が定番だが、数珠のブレスレットも人気のアクセだ。

シルエットは昔ながらのゆったり系、スタイリッシュなタイト系に分かれる。昔の不良ファッションはコンセプト的にゆったりワンサイズ上を着るのが常識。大きめの服をたっぷり着ることで、自分を大きく見せていた。その流れもあって、ゆったりめを好むアウトローも多い。若者にはスタイリッシュでお洒落感のあるタイトめなシルエットも人気がある。

女性から見たオラオラ系に惹かれるポイントは、男らしさや包容力があること。いざという時に守ってくれそうな安心感と頼もしさ。しかし、見た目がコワイ、反社会的っぽい、すぐに喧嘩を始めそうなど、マイナスな一面もある。

SOUL JAPAN(ソウルジャパン)の創刊

この悪羅悪羅系というアウトローファッションは、一体どこから発信されているのか。メンズナックルなどで提唱している伊達ワル、お兄系ファッションが女モテだとすると、オラオラ系ファッションは男モテ。基本的には男の強さや色気の部分をもっと出している。そんな男らしさを全面に押し出したのがSOUL JAPAN(ソウルジャパン)という男性ファッション誌だ。

ソウルジャパンはアウトローファッションのオラオラ系というスタイルを発信する雑誌として、2009年に創刊。セットアップやブラック系などの定番スタイルの他、ド派手な輩ラグ(ヤカラグ)、シンプルイズベストを信条とするHGC(ハイグレードカジュアル)などを提唱している。

なかでも輩ラグは人気のスタイルだ。武骨な輩、男のためのラグジュアリーという意味があり、「派手」「洒落」「不良」がキーワードになっているスタイルだ。随所にアクセントとなるド派手な柄が入り、遊び心を演出している。

悪羅悪羅系を牽引するブランド

アウトローのファッションには生き様が映る。雑誌ソウルジャパンなどで悪羅悪羅系ファッションが注目される存在になったこともあり、男の生き様が宿った悪羅悪羅系ブランドは今やたくさん存在するが、その中でも特に人気があるのは、RebeL(レベル)やTHIRTEEN JAPAN(サーティーンジャパン)だ。その他のブランドはこちら(悪羅悪羅(オラオラ)系ファッションのブランド)で掲載しているので、あわせて参考にして欲しい。

RebeL(レベル)

RebeLは悪羅悪羅系というスタイルを提唱し、そのメインストリームを作りだした悪羅悪羅系を代表するブランド。ディレクター兼デザイナーのDJ ACE氏は、アウトローファッション界のカリスマデザイナーであり、クラブでDJとしても活躍するマルチな活動をしている男だ。1シーズンに作る服のデザインは多いときで100着。すべて1人で行っているという。

ブランドの定番だというジャージのセットアップ。ヤンキーファッションを好む輩はジャージを着ている方が多く、RebeLのセットアップはそういう方が入りやすい。基本的にシルエットはタイト。完全なるヤンキーファッションとは違い、それを現代的にスタイリッシュにしているのがこのブランドの人気の秘密だ。ポイントはスタイリッシュな不良服であること。細身であるだけでなく、ガラス製のチェコビーズでブランドロゴを表現したり、袖口の部分にスパンデックスと呼ばれる合成繊維を多めに編みこむことで、生地をよれにくくするなど、黒のデザインの中にも細部にこだわりを忍ばせている。

デザインするうえでRebeLが大事にしていることは、男らしくてちょっと危険な香りがするファッション。その服をまとうことでビシッとした男らしくなったりだとか、好きなものを身に付けることで気分がよくなったりとか、そういった意味で男らしさにプラスの効果があればいいと考えている。

そしてブランドRebeLを象徴するこだわりのデザインが、ロゴの部分に刺青の絵柄がプリントされたロングTシャツ。オラオラ系の特徴であるタトゥーをデザインの要素に入れたマストアイテムだ。オラオラ系はタトゥーも象徴的なツールの一つで、このファッションを好む男はタトゥーが好きな人も多い。だから柄が入ったアイテムは人気で喜ばれる。

RebeLというのは直訳すると、「反逆者」とか「反社会」といった意味があるが、アウトローは見た目だったりタトゥーだったり反社会的なイメージをもたれている。DJ ACE氏いわく、オラオラという言葉もそうだが、反骨精神とかそんな人間でもできることを見せたかった。アウトローの先頭にたって道標になれたらって意味もあって付けたブランド名だそうだ。彼らが手掛けるのは洋服のデザインを超えた、その服をまとうアウトロー達のライフスタイルのデザインでもある。

THIRTEEN JAPAN(サーティーンジャパン)

ストリートで活躍する若者へ発信するリアルワードローブ。アウトローを虜にするデザインが若者に人気のブランドで、ショップでもその扱いは大きい。「BAD MIND」をコンセプトとして、無駄なディテールや装飾は一切省き、シルエットや着心地に重きを置く。そして不良ならではのエッセンスを服作りに反映しているブランドでもある。雑誌ソウルジャパンでモデルを務める黒石高大氏を同ブランドのメインモデルとして起用し、大人の不良が虜になるハイエンドなスタイルを提案している。不吉な番号と言われている「13」をブランド名にしているのも悪羅悪羅系らしい。

サーティーンジャパンの代名詞であるセットアップ。着るだけでスタイルを格上げできる大人のセットアップは、シックでいながら強烈なインパクトを放つデザインに仕上がっている。まさに男の理想が詰まった文句のないセットアップといえる。男らしいアイテムにこだわるブランドこそ、サーティーンジャパンに他ならない。

着心地を重視したパーカーや純国産のデニム、またシャツのバリエーションもドレスからカジュアルまで幅広いラインナップ。本物を求めている輩たちに相応しい。細部まで拘り抜かれた上品でハイクオリティなアイテムを提案している。勢いあるネオ・ヤンキーたちはゲトるしかない。


悪羅悪羅系の生き様とは、何事にも逃げない生き方。逃げずに向かっていくこと。人に流されずに自分のファッションを貫き通すこと。我慢して生きるのは辛いので、やりたいと思ったことはやるというのが男の生き様。何事からも逃げず、そしてやりたいことを成し遂げる。魂をこめた生き方こそが、オラオラ系というスタイルなのだ。


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