倒産?閉店?消えてしまった懐かしの渋谷系・お兄系ブランド
毎年多くのファッションブランドが誕生し、そして同じくらい消えていく。今日もどこかでひっそりブランドが終了しているのだろう。そんな厳しいファッション業界ですが、アウトローなファッションの世界も例外ではない。特に109系などの渋谷系・お兄系のメンズブランドは、ギャル男の衰退もあって最近はめっきり見かけない。雑誌メンズエッグ全盛の頃に持てはやされていた人気ブランドは、中古品のオークションでしか手に入らないのが現状だ。そんな消えてしまった渋谷系・お兄系の人気ブランドを紹介する。
Casva(カスヴァ)
2006年にスタート。最旬トレンドに「ロック」なエッセンスを注入することで、ブランドのコンセプトを表現するCasva(カスヴァ)。アイテムの各所に作り手の遊び心を加味することで、個性的なアイテムを創出する。シンプルながらも、着用時のシルエットの美しさにこだわった洋服作りで、遊び心を注入した個性的なアイテム群が魅力。スタイリッシュなシルエットと大人の色気を加味したシックな装いが楽しめる。
Casva(カスヴァ)は44インターナショナルという会社が展開していたブランドだが、ここはギャル系のソードフィッシュで有名な会社だったと思う。現在は会社自体が存在していない。
DISREV(ディスレヴ)
当時のメンズエッグが提案していたギャル男的な都会派スタイル「アーバンカジュアル」を代表する渋谷系ブランド。トレンドを視野に入れながらブランドの個性も忘れず、さらにクオリティにおいても一切の妥協を許さない。デニムパンツに対する本気さが感じられ、ヒゲ、アタリ、シルエットなど、全てにおいて完璧な仕上がりを実現。絶妙な色落ちを搭載したモデルはスタイルに味わい深いヴィンテージ感を付与してくれる。
2010年頃に出てきたブランドだったと思う。渋谷109-2に店舗を構え、モノトーンを中心としたアイテムを多く展開していた。メンエグモデルのグループPlayzとコラボするなど、デビュー時はメンズエッグでも相当プッシュされていたような気がする。
PLATIVE(プラティブ)
“SIMPLE is SEXY”をテーマに、ちょい遊び心を加えた大人のイタカジスタイルを提案するPLATIVE(プラティブ)。シンプルさの中に男の色気を加味し、イタリアをモチーフにしたデザインで人気を博した。誰もが知っているイタリア国旗の緑・白・赤のラインを配置したポロシャツをはじめとしたアイテム群は、程よい大人の男を演出するスタイルに好印象なアイテムが揃っていた。
メンズエッグやユース、メンズナックルなどによく掲載されていた記憶がある。シンプルなデザインで着まわしがしやすいアイテムが多かった。公式サイトのURL(http://www.plative.jp/)はもう存在していない。
Roi Franc(ロイフランク)
フランスの王族を意味するブランド名のRoi Franc(ロイフランク)は、カジュアルからアダルティーなスタイルまで、幅広いコーデが楽しめる。アメカジを同ブランドらしくフランスカルチャーというフィルターに通してドロップし、どこかセンシティブでシックなアメカジに仕上げてくれる。フォーマルを落とし込んだカジュアル感と、着回ししやすいアイテムで、絶大な人気を集めていた。
たしか2006年頃から渋谷109-2に店舗を持っていたと思う。フランスらしいのかなんなのか、アメカジなのにどこか色気のあるアイテムが多かったロイフランク。ロック的だったりチェック柄だったりとにかく幅広いといった印象。
89 HOLLYWOOD(89ハリウッド)
個性的なグラフィックや豊富なカラー展開に定評がある89ハリウッド。。デザイン性にこだわるのみならず、コーディネートしやすいように計算されたアイテム群は、即戦力になるものばかり。西海岸スタイルをベースに、独自のカラー展開やグラフィックを投入。デザイナー自身が様々なファッション、音楽、映像、写真、詩などからインスパイアを受け、それを自らのフィルターを通して表現したグラフィックは見るものを圧倒する。
ギャル男全開!なポップで明るいカラフルなデザイン、特にレインボーカラーの印象が強く残っている。メンズエッグ的な渋谷系アメカジスタイルには欠かせないブランドといえるだろう。2010年あたりで公式ブログはストップしているが、ブランド直営のグランジー(現在はジーナイン)には、未だに89ハリウッド公式通販の文字がある。
RISE RILY(ライズリリー)
古き良き時代のアメリカンカルチャーを独自の感性で現代に蘇らせたRISE RILY(ライズリリー)は、高いクオリティーで幅広い年齢層に支持されるお兄系ブランド。他にはないデザインセンスがウリ。素材、縫製、加工など、細部にまでこだわって製作されたアイテムは、数あるブランドの中でも群を抜いたクオリティーの高さを誇る。
ワークテイストのアメカジ、男臭いアイテムが揃っていて、メンズエッグにもよく掲載されていた印象。ライズリリーを展開していたライズザギャラリーはいつのまにか消えていた。
Daisy(デイジー)
渋谷にいるギャルが発信する流行を活かし、女の子が彼氏に着て欲しい服を提案するDaisy(デイジー)。。普遍的なアメカジにポップなカラーを加えた独自のラインナップは他の追随を許さない。ヴィンテージ風デザインのアイテムも展開。ポップなカラーで楽しく着こなせる。
渋谷109-2に店舗を構えていたデイジー。お兄系らしいポップでカラフル、キュートなカジュアルアイテムは、まさにギャル男のためのブランドといえる。似たような名前のブランド名が多数存在するので、非常に紛らわしい。
BURDEN(バーデン)
王道アメカジをアダルトに着こなすBURDEN(バーデン)。オールドアメカジを彷彿とさせるオーソドックスなアイテムに、現代の流行を巧みにミックスさせたオリジナル商品が魅力だ。。機能性や着心地を重視した素材選びやディテールの高さにこだわるなど、新しいアメカジを日々提案する。
アメリカ西海岸を彷彿とさせるプリントやカレッジテイストのもの、レトロな雰囲気を醸し出すカラーリングなど、アメカジ好きなギャル男にはたまらないアイテムが揃っていた。確か昔は109-2にも店舗あった気がする。
Sunny Smith(サニースミス)
どこにいても「目立ちたい」「モテたい」という思いを持つメンズをターゲットに、サーフ系からストリート系まで幅広く網羅したSunny Smith(サニースミス)は、渋谷系アメカジミックススタイルを提案するカジュアルブランド。爽やかなカラーで展開し続けるキュートでキャッチーなアイテムといえばココだ。
ポップな風合いなプリント、爽やかな色味のアイテムなど、これぞギャル男!って感じ。カラフルなベルトも印象に残っている。メンズエッグでもよく掲載されていた。
K.T NANAI STANDARD(ケーティーナナイスタンダード)
初期からのメンズエッグモデル、植竹拓のワントップが展開するK.T NANAI STANDARD(ケーティーナナイスタンダード)。生地や加工具合に加え、プリントロゴなど、とことんディテールにこだわったハイクオリティーなアイテムが揃う。スタンダードだけど新しいネオワークを実現。洗練されたワークスタイルにハマること間違いなしの渋谷系お兄系のブランドだ。
これはもともとKILLER TREASURE(キラートレジャー)としてスタートしたブランドだったか、2009年頃にブランド名をK.T NANAI STANDARDに変えている。2013年頃にワントップは倒産。
ONE SHOT ONE KILL(ワンショットワンキル)
自由に着られるラブ&ピースな西海岸ノリが魅力のONE SHOT ONE KILL(ワンショットワンキル)。オールディーズの良い面を残しつつも、旬な要素を取り入れたデザインで、新たなヴィンテージスタイルを提案する。縫製には業界トップクラスの工場を使うなど、品質へのこだわりも強い。シンプルなスタイルを風格漂うイメージへと昇華する。
直訳すれば一撃必殺。厨二病っぽいブランド名なのでなんとなく憶えている。渋谷の有名な老練セレクトショップ、ジェットフィールドが手掛けたブランドだったと思うのだが、ちょっと記憶が曖昧だ。
EIGHT BY(エイトバイ)
お兄系ブランドのパイオニア的な存在のEIGHT BY(エイトバイ)。ドレッシーなアダルトスタイルからアメカジ&サーフまで、リアルタイムなトレンドアイテムを発信する。ブラックに新たな可能性と感性を注入し、トレンド感のある渋谷系スタイルを提案。アルコール、ミュージック、フィーリング、ムービー、リアル、フリーダム、ガールズ、マルボロという8つ構成要素で築き上げられたエイトバイの世界感は、今でも最強にグラマラスだ。
こちらもまたワンショットワンキルと同じく渋谷の老練ジェットフィールドが手掛けるブランドだったと思う。当時はバカ売れしていた人気ブランドだ。9つ目の要素である大人テイストのライン、EIGHT BY GOLD LABEL(エイトバイ ゴールドレーベル)ってものもあった。
RED CAT(レッドキャット)
強さの中に優しさ、ワルさの中に上品さ、クールさの中にセクシーさ、そんな男の二面性をアウトプットするお兄系ブランド。過剰な装飾を排し、着こなしでオリジナリティを提案する。そんなブランドの心意気は、シンプルな中にもどこか違うアイテムに表現されている。。ワイルドカジュアルにハイセンス&モードをミックスさせたスタイルで魅せてくれる。
ヤングファッション研究所が展開しているレッドキャット。男臭さと品がよさが同居したアイテムは、キレイめな大人の着こなしにも使える。前は渋谷109-2にも店舗を構えていた気がする。
GRZ&M(グラズム)
時代や流行にとらわれず、革命の一瞬を待つ男たちに向けて発信するお兄系ブランド。グラズム=“男のエネルギーの源”と定義し、スタイルに関してはあえてノールールを貫く。セクシャルかつ妖艶なプリントなどで、フェロモンを発散させるアイテムをリリースする一方、オリジナリティあるシルエットメイクにも余念がない。
渋谷ブラックカジュアルのグラズム。なんでズとムの間に&が入っているのか、当時は何故か妙に気になっていた。男の色気と野性味を感じさせるもの、そこそこのお値段でカッコいいアイテムが多かった。